こんにちは、コーファーです。
投資戦略をアップデートするために、活かせる情報を発信しています。
1/24~29の米国株式市場に影響する、主なニュースを振り返りたいと思います。
日々たくさんのニュースが流れてきて、一応チェックしているものの、そのニュースを踏まえて全体観を理解しきれてないな‥という人も多いのではないでしょうか。
そこで、米国株投資初心者の方向けに、5分でざっくりと押さえておくべきニュースが頭に入るようにまとめています。
今週の経済ニュースチェックポイント
米国株式市場に影響してくる押さえておきたいポイントは以下の3つです!
2. FOMCの声明&会見後に株価急落。アジアやオセアニアの国債利回りも上昇
3. 米国市場のインフレ懸念は継続。22年第1四半期は落ち込むも、その後回復の期待
3つのチェックポイント詳細
世界経済と株価動向
米中の経済成長が鈍化する予測から、世界経済の成長予測は4.9→4.4%と下方修正
世界の株価は調整局面入りとされる水準へ
2022年世界経済の成長見通し
国際通貨基金(IMF)の出した世界経済見通しでは、22年の成長率予想が4.9→4.4%と下方修正されました。米中の経済成長率を下方修正したことが主因となっています。
米国は、バイデン政権の巨額の歳出法案の議会未通過や、FRBの早期の金融引き締め、供給不足の継続が理由で、5.2→4.0%と下方修正をしています。
中国は、ゼロコロナ政策に伴う混乱や不動産デベロッパーの財務問題の長期化が理由で5.6%→4.8%と下方修正しています。
また、先進国・地域の今年の平均インフレ率を2.3%→3.9%と予測している点も注目です。
参考サイト:2022年世界成長見通し(国際通貨基金(IMF))ロイター
世界の株価
先進23カ国の1500社以上を対象とするMSCI世界株価指数が、一時的に調整局面入りとされる高値から10%下落しました。同指数は1月4日に史上最高値を付けていたのですが、世界的に利上げが早期に実施されるとの見方を背景に、株式市場が年初から厳しい状況を続けています。
参考サイト:ロイター
FOMCの声明&会見とその影響
FOMCの声明&会見で、不安が高まり米国株式が下落
中央銀行による引き締めが加速するとの見方で、
アジア・オセアニアの国債利回り上昇
FOMCの声明&会見
今週、米国株式市場に影響を与えた、押さえておくべきニュースはやはりFOMCです。
声明と会見のポイントは以下になります。
・声明は、利上げが「間もなく適切になる」と表現。事実上3月利上げの可能性示す
・バランスシート縮小は、利上げ後に実施する
・資産購入について予定通り完了する(3月初めに終了)
・会見にて、パウエル議長はインフレ率が高止まりし、悪化する兆しがある中、今年は金融引き締めを着実に進め、パンデミック下での緩和政策から脱却する姿勢を強調
・質疑で、毎会合で利上げを決定する可能性も排除しない姿勢
・利上げとバランスシート圧縮のペースについては、ほぼ何もきまっていないと説明
FOMCの会見後、株価が急落したわけですが、パウエル議長は、金融引き締めを着実に進める姿勢を強調し、質疑で、毎会合で利上げを決定する可能性や、利上げを0.5%にするなど度合いについて否定しなかったことで、金利上昇と株安を引き起こしたと推測されます。
※米国株式市場への具体的な影響を知りたい人はコチラ → ■
一般論ですが、利上げを行うと、
・企業の借入れコストが上昇し、設備投資の縮小を行う
・個人消費でも住宅ローン金利が上昇し、住宅購入を見送る
などが想定され、企業業績低迷への不安が高まり株価は下落するというメカニズムですね。会見はこの不安をあおる内容になってしまったと推測されます。
アジア・オセアニアの国債利回りの変化
FOMCの会見を終えた翌日27日のアジア・オセアニアの債券相場は、軒並み下落する動きとなりました。米金融当局の姿勢を機に、世界各国・地域の中央銀行による引き締めが一段と加速するとの見方が強まりました。
ニュージーランドの10年債利回りは2018年11月以来の高水準、オーストラリアの10年債利回りは、昨年10月の債券相場急落時のピークに向かって上昇しています。その他、中国や日本、韓国でも上昇が起きました。
参考サイト:ブルームバーグ
米国経済状況
住宅、雇用、材料費など、米国市場のインフレ懸念は継続。
経済成長は22年第1四半期は落ち込むも、その後回復の期待!
新築・中古住宅販売件数、販売価格
21年12月の中古住宅販売は、物件在庫が記録的に少ない状態になっているため、販売できるものがなく、2カ月連続で低下しています。
住宅購入の需要は、新築住宅に流れ、12月の新築住宅販売は9カ月ぶりの高水準となりました。
住宅ローン金利が上昇し、住宅価格の高騰と相まって購入のハードルが高くなっていますが、新築、中古ともに、住宅需要は22年も堅調に推移すると予想されています。
参考サイト:
12月米新築住宅販売(米商務省)ロイター
12月米中古住宅販売(全米リアルター協会(NAR))ロイター
雇用状況(失業保険件数、雇用コスト)
雇用に関しては、新規失業保険申請件数は、前週比で3万件減り26万件、オミクロン変異株による感染拡大の影響が緩和されつつある兆しを示しています。
一方で、企業の労働力不足は続いており、オミクロン変異株感染に関連した欠勤などもおもしとなっているようです。
雇用コストは上昇を続けています。
21年第4・四半期の米雇用コスト指数が発表されていました。
前期比+1.0%、前年同期比は+4.0%と、2002年以降で最大の上昇率となっています。
また、1月上旬に実施した、全米企業エコノミスト協会(NABE)調査によると、勤労者の報酬を上げざるを得ないとの回答は68%と過去最多、77%が今後3カ月の賃金コスト上昇を予測している状況で、今後も上昇は続きそうです。
参考サイト:
全米企業エコノミスト協会(NABE)調査 ブルームバーグ
1月米国PMI(IHSマークイット)ロイター
米失業保険申請(労働省)ロイター
21年第4・四半期米雇用コスト指数(ECI)(米労働省)ロイター
物価状況
全米企業エコノミスト協会(NABE)の調査では、21年第4四半期に値上げしたとの回答は全体の53%、調査開始後40年で最多となりました。また、今後3カ月で価格がさらに上昇するとの予想も過半数となっています。
前述の通り、雇用コストも上がっているため、投入原価の圧力に加え、労働コストも消費者への価格転嫁の主な要因になりつつあります。
21年12月のPCE価格指数も、1982年以来の高い伸びを記録しています。その結果として、個人消費支出は前月のプラスと逆行してマイナスに転じました。サプライチェーン問題やコロナ再拡大が影響し、米経済が年末にかけ失速した可能性を示唆しています。
参考サイト:
全米企業エコノミスト協会(NABE)調査 ブルームバーグ
21年12月米個人消費支出(PCE)(米商務省)ロイター
企業・消費者の景気期待
企業担当者が捉える景況感の状況を掴んでおきましょう。
1月米国総合PMIは、20年7月以来の低水準の50.8となりました。
PMIはPurchasing Managers’ Index(購買担当者景気指数)のことで、企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取って、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものになります。一般的には、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大、逆に50を下回る状態が継続すると景気減速を示しています。
受注指数は高水準維持の55.0となっているので、オミクロン変異株の感染拡大では需要よりも生産の方に大きな影響があると言えます。
サービス業PMIは20年7月以来の低水準の50.9となっていて、労働力不足に加え、オミクロン変異株感染に関連した欠勤などが重しとなりました。ただサービスに対する需要は力強さを維持しており、企業は採用を増加しています。
製造業PMIは1年3カ月ぶりの低水準の55.0でした。オミクロン株拡散に関連する供給網の問題が重しになっています。
では、消費者の捉える景況感はどうなっているでしょうか。
1月の米国の消費者信頼感指数は、113.8と12月の115.2からやや低下しています。短期的な成長見通しに対する期待は弱まり、2022年第1・四半期に成長が緩やかになる可能性を示唆しています。
一方で、今後6カ月間に住宅、自動車、主要な家電製品を購入する予定の消費者の割合が全て増加しています。昨今の状況を踏まえると非常に明るいニュースです。
消費者信頼感指数は、消費者マインドをアンケートで調査して指数化した景気関連の経済指標です。米コンファレンスボード(CB)が毎月発表するものが代表的で、5,000世帯の消費者に対して現状や半年後の景況感についてアンケートを実施し、1985年を100として指数化しています。
参考サイト:
1月米国PMI(IHSマークイット)ロイター
1月米消費者信頼感指数(CB)ロイター
1月米ミシガン大消費者信頼感指数 ロイター
米国GDP見立て
米商務省より、米GDP報告がありました。
今回のポイントは2つです。
1つ目は、21年第4・四半期に、企業による在庫投資と個人消費が拡大したことで、経済成長が市場予想よりも加速したことです。
2つ目は、22年通期の成長率は3.9%と想定されていて、コロナ影響、供給停滞、利上げ影響で第1・四半期は落ち込むが、その後回復に向かうとされています。
参考サイト:米GDP(米商務省) ロイター
まとめ
押さえておきたいポイントのおさらいです。以下の3つ!
2. FOMCの声明&会見後に株価急落。アジアやオセアニアの国債利回りも上昇
3. 米国市場のインフレ懸念は継続。22年第1四半期は落ち込むも、その後回復の期待
以上、コーファーでした。
今回は盛り沢山でしたが、いかがだったでしょうか。マーケットを捉えて、投資戦略をアップデートしていきましょう!
【関連リンク】
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