こんにちは、コーファーです。
投資戦略をアップデートするために、活かせる情報を発信しています。
1/18~22の米国市場を振り返りたいと思います。
米国株式市場の主な指数動向
主な指数の現在値&先週末比
まずは、指数の振り返りです。
指数 | 現在値 | 先週末比 |
S&P500 | 4,397.94 | -5.68% |
NASDAQ | 13,768.92 | -7.55% |
NYダウ | 34,265.37 | -4.58% |
ラッセル2000 | 1,987.92 | -8.07% |
今週は全面安、暴落と言える動きになりました。大きく下がった結果、指数それぞれで見ると以下のような状況になっています。
・NASDAQは、2021年11月に付けた終値での最高値から-14.3%、2021年6月以来の安値
・NYダウは、6営業日続落で、これは2020年2月以来の最長
・ラッセル2000は、2020年12月以来の2000ドル割れ
主なトピックスと指数推移
次に、この1週間での主なトピックスです。
主なトピックス | |
1/17~18 | ・米国市場は休場 |
1/18~19 | ・FRBによる金融引き締めへの懸念から、金利が上昇。その影響を受けてNASDAQ、ラッセル2000は大幅安 |
1/19~20 | ・イラクとトルコ結ぶ重要パイプラインが停止し、供給がひっ迫している石油市場のさらなる圧力に。原油が引き続き上昇 ・インフレ懸念、FRBが3月に大幅利上げをする予想がされるニュースなどにより、金融引き締めへの懸念が更に高まる。それにより金利が上昇、NASDAQが最高値から10%以上下げ、調整局面に入る下落水準へ |
1/20~21 | ・金利は高止まり、特にハイテクなどのグロース銘柄を中心に下げる動きが継続 |
1/21~22 | ・金利が若干落ち着くも株価は引き続き下落を続け、さらに暗号資産なども売られるという完全なリスクオフの状況 |
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先週末1/15終値(1/18始値)からの株価推移と、その背景を合わせてまとめると、以下のようになります。
トピックスで触れている金利の動きですが、米10年債利回りは1/22時点では1.770と、先週末(1/15)の1.788から微減となっています。ただ、週の中での変動を見ると、1/19〜20にかけて下図のように1.9あたりまで上がり、株価を押し下げに影響していたと考えられます。
米国株式市場のセクター単位動向
S&P500 MAP 週間騰落率
S&P500の週間騰落ですが、以下の通り、ほぼ全てのセクターがマイナスとなっています。
参考サイト:https://finviz.com/
その中でポイントは以下6点になります。
2. 金融は決算の濃淡はあったが、1週間で見ると全般的にマイナス
3. $ATVI→マイクロソフトの買収で急騰
4. $PG→好決算で上昇
5. $XOM中心にエネルギーセクターは他セクターと比較すると悪くない
6. $NFLX見通し悪くて急落
一つずつ、簡単に補足していきます。
1. 半導体セクター-10%以上続出
エヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、マイクロン・テクノロジー、ブロードコムなど、半導体株が大きく下落しています。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も以下のように連日下降を続け、昨年10月下旬以来の安値で終了しています。
2. 金融は決算の濃淡はあったが、1週間で見ると全般的にマイナス
売上高 | EPS | ||||||
判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | ||
$GS | ゴールドマンサックス | ◯ | 12.08 | 12.64 | × | 11.76 | 10.81 |
$ MS | モルガン・スタンレー | × | 14.56 | 14.52 | ◯ | 1.94 | 2.08 |
金利上昇に伴い、比較敵堅調だった金融株ですが、18〜19日にゴールドマン・サックスは決算が振るわなかった影響で株価を下げ、19~20日にはモルガン・スタンレーが株価を上げるなど、決算による騰落がありました。
週間で見ると、株式市場全体のマイナスに引っ張られ、セクターとしてはマイナスとなっています。
3. $ATVI→マイクロソフトの買収で急騰
マイクロソフトはゲームソフト会社アクティビジョン・ブリザード($ATVI)を1株当たり95ドルで買収すると発表し、18〜19日に$ATVIの株価が約26%急伸しました。
企業価値を687億ドル(約7.87兆円)と評価する大型の買収で、マイクロソフトのゲーミング事業の成長に加え、メタバースへの注力を思わせるニュースとなりました。
4. $PG→好決算で上昇
売上高 | EPS | ||||||
判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | ||
$ PG | プロクター・アンド・ギャンブル | ◯ | 20.34 | 20.95 | ◯ | 1.66 | 1.66 |
決算の結果は上記の通りですが、コロナ感染拡大に伴い清掃関連製品の需要が回復しているほか、コスト高や運賃上昇を転嫁するための値上げが寄与し、2022年度の売上高見通し上方修正したことを好感し、株価が上昇しています。
5. $XOM中心にエネルギーセクターは他セクターと比較すると悪くない
ゴールドマン・サックスが、北海ブレント原油のスポット価格を従来予想+20ドルの100ドルに引き上げました。また、原油関連銘柄であるベーカーヒューズの決算では、需要が強く、新規受注の伸びが見込まれています。原油の高騰はまだ続きそうな見立てです。
落ち込みの激しい株式市場の中で、唯一エネルギーセクターが踏みとどまっています。
6. $NFLX見通し悪くて急落
決算で見通しが思わしくなかったネットフリックスの株価は、21~22日の市場で-21.79%となりました。2022年の第1四半期の会員数見通しは250万人の純増と、626万人の市場予想を大きく下回りました。また、2021年の会員純増数は1820万人にとどまり、過去最高を記録した前年から約50%減っています。
経済ニュースと今後の市場影響
ニュース&市場の動き要約 | |
1/17~18 | ・中国経済の消費や不動産市場が冷え込むことを示唆する指標がニュースで取り上げられる一方で、中国人民銀行が金利引き下げを実施。米国市場から資金が流れ、香港ハンセン指数に上昇の兆し ・世界的に、第4・四半期の決算が予想を大幅に上回ってくるとJPモルガンが予想 |
1/18~19 | ・英国立統計局(ONS)によると、英国の被雇用者数は、過去最大の伸びを記録。活況な雇用状況を示したが、急速な物価上昇の影響も鮮明に |
1/19~20 | ・独10年債利回りが、2019年5月以来初めて0%を超えて上昇。ユーロ圏では超金融緩和を背景にマイナス利回りが続いていたが、転換点となる可能性 |
1/20~21 | ・航空銘柄の決算から、2022年第1四半期はコロナ影響で厳しい状況が続くというのが大方の見方。春以降に需要が回復するという予想 |
1/21~22 | ・米国コンファレンス・ボードの報告草案によると、第1・四半期に経済成長が鈍化する見立て |
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中国の金利引き下げから、香港ハンセン指数が上昇しており、米国市場で抜けた資金が流れている可能性がある点は注目すべきポイントです。
また、2022年第1四半期はオミクロン変異株や労働力不足、インフレ圧力、FRBによる利上の可能性といった逆風で鈍化するというのが大方の味方である点は押さえておきたいです。
来週の主要な注目イベント
日付 | 主なイベント |
1/24 | 米国製造業PMI |
1/25 | 米住宅価格指数 |
1/26 | 米消費者信頼感指数 |
1/27 | 米新築住宅販売件数 FOMC政策金利 米GDP速報 |
1/28 | 米個人所得/支出 |
来週はFOMCがありますので、そこでどのような言及がされるかに注目ですね!またGAFAMの決算もありますので、そちらも注目です。
以上、コーファーでした。
マーケットを捉えて、投資戦略をアップデートしていきましょう!
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