こんにちは、コーファーです。
米国株式市場の動向と、市場に影響するニューストピックスを毎日紹介しています。
昨晩(1月28日)から、今朝(1月29日)にかけての情報です。
主な指数の現在値&前日比
まずは、指数の振り返りです。
指数 | 現在値 | 前日比 |
S&P500 | 4,431.85 | +2.43% |
NASDAQ | 13,770.57 | +3.13% |
NYダウ | 34,725.47 | +1.65% |
ラッセル2000 | 1,968.51 | +1.93% |
米国株式市場は、着地としては久しぶりの4指数全面高となりました。
1日の株価推移の流れを見てみると、
このように前半は下げて始まりましたが、後半にグッと上げていきました。NYダウ(上図の水色)やS&P500(上図のオレンジ)と比べ、NASDAQ(上図の黄色)、ラッセル2000(上図の青)がしっかり買われていた印象です。グロース株、小型株中心に安値拾いの買いが入っていそうです。
主な企業決算とセクター毎の株価変動
主な企業決算
昨日発表された注目の企業決算は、以下のラインナップです。
売上高(B) | EPS |
Data参照リンク
|
||||||
判定 | 予想 | 実績 | 判定 | 予想 | 実績 | |||
$CVX | シェブロン | ◯ | 44.68 | 48.13 | × | 3.1 | 2.56 | ■ |
$CAT | キャタピラー | ◯ | 13.17 | 13.8 | ◯ | 2.27 | 2.69 | ■ |
シェブロン($CVX)は、EPSが市場予想を下回る結果となりました。また、22年の低調な石油・ガス生産見通しを発表しています。
キャタピラー($CAT)は、売上高とEPSはクリアしたものの、生産コストと人件費の増加で今後営業利益率が打撃を受ける可能性がある模様です。
セクター毎、個別株の株価変動
次に、セクター毎、個別株の騰落を確認していきます。
1 セクター別に見てみると、連日他セクターが下がっている時に上昇していたエネルギーセクターが振るわずでした。S&P主要11セクターでは、エネルギー以外全てがプラス圏で引けました。
2 3 4 5 決算によって騰落の明暗が分かれる展開でした。
好決算のアップル($AAPL)が、市場全体を引っ張るような株高(前日比+6.98)となっています。他にも、ビザ($V)は+10.60%と大幅に上昇していました。EPSが市場予想を下回ったシェブロン($CVX)は-3.52%、厳しい中期見立てを示したキャタピラー($CAT)は-5.19%と大きく下げています。
主要なニュース
主なニュースと要約は以下になります。
ニュース | 要約 | リンク |
仏GDP(国立統計経済研究所(INSEE)) | ・21年GDPが前年比+7%、1969年以来の大幅な伸び。コロナから予想よりも早く立ち直る ・21年第4・四半期のGDP速報値は、前期比+0.7%と市場予想の+0.5%を上回る ・ワクチン接種が進み政府が制限措置を緩和した影響が大きい |
ロイター |
21年第4・四半期、独GDP(ドイツ連邦統計庁) | ・21年第4・四半期のGDP速報値は、前期比-0.7%。市場予想-0.3%以上の落ち込み。前年比では+1.4% ・オミクロン株流行を受けた行動規制が影響 |
ロイター |
12月ユーロ圏融資/マネーサプライ(欧州中央銀行(ECB)) | ・企業向け融資は前年比+4.2%、4カ月連続で伸びが加速。前月は+2.9%。前年同月+7.1% ・家計向け融資は前年比+4.1%。前月+4.2%から鈍化。6月以降、伸び率はほぼ横ばいで推移 ・マネーサプライM3の前年比+6.9%。前月+7.4%から鈍化 |
ロイター |
1月ユーロ圏景況感指数(欧州連合(EU)欧州委員会) | ・112.7と前月の113.8(改定値)から悪化 ・製造業景況感指数は前月の14.6から13.9へ、サービス業も前月の10.9から9.1へ低下。 ・製造業の販売価格期待指数は前月の48.0から47.7と低下 ・一方、消費者のインフレ期待指数は、前月の36.6から38.4へ上昇 |
ロイター |
21年12月米個人消費支出(PCE)(米商務省) | ・PCE価格指数は前年同月比+5.8%、前月の+5.7%から加速し、1982年以来の高い伸び。 ・食品とエネルギーを除いたコアPCE指数は前年同月比+4.9%と、前月の+4.7%から加速し、1983年以来の高い伸び ・経済の3分の2以上を占める個人消費支出は前月比-0.6%と、前月の+0.4%からマイナスに転じる ・サプライチェーン問題やコロナ再拡大が影響し、米経済が年末にかけ失速した可能性を示唆 |
ロイター |
21年第4・四半期米雇用コスト指数(ECI)(米労働省) | ・前期比+1.0%。市場予想+1.2%。第3・四半期は+1.3%。 ・前年同期比は+4.0%、02年以降で最大の上昇率 ・内訳は、賃金・給与が前期比+1.1%。第3・四半期は+1.5%。第4・四半期の前年同期比は+4.5% ・諸手当は前期比+0.9%、伸び率は第3・四半期と同じ ・堅調な上昇が続き、雇用市場が急速に引き締まっていることを示しており、FRBの利上げに向けた動きを後押しする材料に |
ロイター |
1月米ミシガン大消費者信頼感指数 | ・消費者信頼感指数(確報値)は67.2。前月確報値の70.6から低下、2011年11月以来の低水準。高インフレとそれが所得に及ぼす影響への懸念が背景。速報値の68.8から下方修正。市場予想は68.7 | ロイター |
ニュース要約から更に、ポイントになりそうな部分を抜き出して紹介すると、
21年第4四半期GDPは、フランスは前期比プラス、ドイツはマイナスと明暗わかれています。政府の制限緩和措置のタイミングなどで違いが生まれていそうです。
ユーロ圏では、12月の企業向け融資が4カ月連続で増加、家計向け融資も高止まりという報告がありましたが、1月ユーロ圏景況感指数は、製造業、サービス業ともに前月から悪化しています。
米国経済のニュースでは、21年12月のPCE価格指数が1982年以来の高い伸びを記録し、個人消費支出は前月のプラスと逆行してマイナスに転じました。サプライチェーン問題やコロナ再拡大が影響し、米経済が年末にかけ失速した可能性を示唆しています。
また、21年第4四半期の雇用コスト指数も堅調な上昇が続き、FRBの利上げに向けた動きを後押しする材料になってきています。
今後のポイント
米国株式市場全体としては、連日マイナスが続いていた株価が、ようやく反発しました。これから上向いてくれると期待したいところですね。アップル($AAPL)の決算報告は、サプライチェーン危機の影響を抑えられたことを示すような結果でしたが、こういった市場動向をポジティブに捉えられるようなニュースが引き続き出てくると理想的です。引き続き企業決算には大注目です!
以上、コーファーでした。
【関連リンク】
昨日( 1/27~28)の振り返りはコチラ
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