原油高になるとインフレするのはなぜ?その関係性をわかりやすく解説!

投資初心者向け解説
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こんにちは、コーファーです。

投資戦略をアップデートするために、活かせる情報を発信しています。

経済ニュースを見ていると、これって何でだっけ?と、ふと疑問に思うけれど、いちいち調べるほど時間はない…という事柄って、意外と多いですよね。
このブログでは、そんなちょっとした疑問に1分で答えるコーナーを作ってます。
「原油高が、インフレを引き起こす」ということは、当たり前のセオリーとして語られることが多いのですが、それはなぜ?と問われると答えに詰まってしまう投資初心者も多いのではないでしょうか。
 

そこで、今回は、原油とインフレの関係性について解説していこうと思います。

 

原油の基礎知識

そもそも原油って何?

そもそも原油とは何か?というところですが、ざっくり説明すると、

・原油は鉱物資源に一種で、炭水化物を主成分とする液状の油
・原油は油田や頁岩(けつがん、シェール)から採掘される
・原油を蒸留して分解することで石油になる(原油は加工前、石油は加工後)

という感じでしょうか。
頁岩(けつがん)は、皆さんの聞き慣れた言葉ですと、シェールのことを指しています。

 

原油はどこで採れるのか?

原油と聞くと、中東、オイルマネー、アラブの大富豪とかを思い浮かべる人も多いですかね。

ただ、2020年石油生産量を見てみると以下のようになっています。

順位 生産量(単位:千トン) シェア
1 米国 712,729 17.11%
2 ロシア 524,404 12.59%
3 サウジアラビア 519,583 12.47%
4 カナダ 252,187 6.05%
5 イラク 202,038 4.85%
6 中国 194,769 4.68%
7 アラブ首長国連邦 165,622 3.98%
8 ブラジル 159,191 3.82%
9 イラン 142,736 3.43%
10 クウェート 130,147 3.12%
世界合計 4,165,132 100.00%

資料:GLOBAL NOTE 出典・参照:BP

 

原油は、地下深くにある油田から採掘する必要がありましたが、新しい原油の採掘方法が見つかったことで勢力図が変わりました。

皆さんも聞いたことがあると思いますが、地下に埋まっている岩を水圧で砕いてその岩の中からオイルを取り出す「シェール革命」ですね!

これによって、もともとはサウジアラビアとロシアの独壇場だったのですが、2020年の実績では米国が1番の生産国なんですよね。

 

原油の使用用途は?

では原油は、どのように使われているのでしょうか。

産業活動の様々な場面で使用されていて、使用パターンは、大きく分けると以下の3つです。

使用パターン 使用例
 A    動力の燃料 飛行機、自動車、船
 B    熱の燃料 火力発電所、温室ビニールハウス
 C    原料 化学繊維の服、ペットボトル

ガソリンや火力発電のイメージはあったかと思いますが、さまざまな原料としても使われているのです。

原油とインフレの関係

原油の値上がり影響は?
では、本日の本題に入りたいと思います。
原油価格が上昇するとどうなるかというところですが、
・輸送に使うガソリン価格が上がる
・火力発発電の燃料が上がるので、電気代が上がる
・化学繊維やペットボトルの原料費が上がるので、服や飲料水の原価が上がる
などの現象が起きます。

原油価格の上昇は、
原油を燃料や原料にして商売をしている企業の原価を引き上げ利益を圧迫する
輸送費や電気代などが上昇し、企業の利益を圧迫する
ということに繋がります。

企業は、商売継続のために価格を引き上げることがあり、結果的に、あらゆるものの物価が上がっていくことに繋がっていくわけです。

Cofer
Cofer

このサイクルは、コストプッシュ型のインフレと言ったりします。

原油価格と物価の相関性

では、実際にどの程度の影響があるのでしょうか。
結論としては、原油価格と物価の間には、緩やかな相関性があります。

グラフは、新型コロナのパンデミックの少し前からの、米国の消費者物価を表す指数「コアCPI」の値とWTI原油CFDのグラフです。

なぜ緩やかな相関になるのかというところですが、生産者がエネルギーコストの上昇分を、消費者に転嫁しない場合があったり、もしくは転嫁のタイミングが遅くなったりするためです。
他の観点だと、例えば人件費など、原油価格の上昇だけが物価に影響するわけではないため、完全には相関しないという視点もあります。
原油高がインフレを引き起こすというのは間違いではないのですが、当然ですが、それが全てではないことは改めて理解しておきましょう。
Cofer
Cofer

補足ですが、コアCPIは、消費者物価指数(CPI)のうち、すべての対象商品によって算出される「総合指数」から生鮮食品を除いて計算した指数のことです。天候に左右されやすい生鮮食品を除くことで、物価変動の基調をみるために有効な指標とされています。

 

まとめ

今回は、原油とインフレの関係性を解説してきました。

原油の基礎知識のポイントは、

・原油は鉱物資源に一種で、炭水化物を主成分とする液状の油
・シェール革命の影響があり、生産量が一番多いのはアメリカ
・アメリカに次いで、ロシア、サウジアラビアと続く
・原油は、動力、熱、原料など、産業活動の様々な場面で使用されている
原油とインフレの関係性のポイントは、
・原油の価格が上がると、輸送費や電気代などのコストが上昇し、企業活動の利益を圧迫する
・利益を圧迫された企業は、商品価格に転嫁するため物価が上がる
・コストの上昇分を、消費者に転嫁しない場合があったり、もしくは転嫁のタイミングが遅くなることがあるため、原油価格の上昇と物価上昇の相関は緩やか

いかがだったでしょうか。

経済ニュースの背景がわかって、経済や株式市場にどんな影響を与えるのか、少しでもイメージできると、より良く投資戦略をアップデートすることができると思います。
実際に原油価格の騰落が影響する米国株式市場の動向はコチラ↓

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